辺野古「対話で解決」知事、名古屋で“キャラバン”

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【辺野古「対話で解決」知事、名古屋で“キャラバン”】(琉球新報 8/20)

【名古屋で當山幸都】名護市辺野古の新基地建設や安全保障などについて玉城デニー知事が県の立場を全国に情報発信する「トークキャラバン」が19日、愛知県の名古屋市公会堂で開かれ、780人が来場した。開催は6月の東京に続き2カ所目。基調講演で玉城知事は、沖縄で起こっていることを「自分ごと」として捉えることや対話による解決を訴えた。

玉城知事氏は政府が辺野古移設の工期や総事業費を示さず事業を進めていることや、行政不服審査法を使って県の埋め立て承認撤回の効力を取り消したおかしさを取り上げ「もはや民主主義も地方自治も存在しないと言わざるを得なくなり、お上の言う通りにやれということになってしまう。沖縄だけの問題ではない」と強調した。

パネル討論で立憲民主党の近藤昭一衆院議員は、鳩山民主党政権時代に移設先として南洋のテニアンなどを提案した経験を紹介。「実現には抵抗があった。官僚や全ての人と連携していかなくてはならない」と振り返り、沖縄の現状について「選挙で民意が示され、米軍の戦略も変わっている。辺野古に新基地を造ることは問題がある」と話した。

中京大の佐道明広教授は、在沖海兵隊の抑止力や沖縄の地理的重要性を疑問視。日米安保に不満を示すトランプ米大統領の発言を引用しつつ「日本が米国だけに依存するのでなくいろんな戦略を考えないといけないときに、ひたすら辺野古に基地を造り続ける状況は思考停止ではないのか」と問い掛けた。

辺野古移設に賛成の立場として招かれた元陸上自衛隊研究本部長(陸将)で国際大の山口昇教授は現行計画について「これしかないとは申し上げないが、ここで辞めたら普天間(飛行場)が凍り付いてしまうのではないかという恐怖は抱いている」と説明。一方で基地負担軽減の必要性も指摘し「沖縄県民以外が責任を分担する覚悟を示さないといけない」と語った。