【「沖縄に戦争の負担、押しつけてはならない」 玉城知事インタビュー】(中日新聞 8/20)
沖縄県の玉城(たまき)デニー知事(59)は十九日、名古屋市内で本紙のインタビューに応じた。政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について「沖縄の民意に寄り添うというなら、工事を中止すべきだ」と強調。太平洋戦争末期に民間人を含め多大な犠牲を出した沖縄地上戦にも触れ「沖縄県民に再び戦争の負担を押しつけることは絶対にやってはいけないと言い続ける」と、国民に理解を求めていく考えを示した。
今年二月に行われた県民投票で移設反対が七割を超えたことに「明確な意思が示された。これ以上、新たな米軍基地はいらない」とした上で、日米両政府に沖縄を加えた三者による移設計画の見直しを求めた。沖縄の負担軽減に向け基地機能の県外や国外への移転を主張し「いつまでも領土内に外国の軍隊が居続けることが幸せなことなのかどうか、一人の国民としてぜひ考えてほしい」と述べた。
日米地位協定を巡り、全国知事会が昨年七月に抜本的改定を求める提言をまとめるなど「沖縄の現状について徐々にではあるが、理解する動きは広がりつつある」と指摘。「今後は全国のみなさんに共感できる情報を発信し、理解と協力を求めていきたい」と述べた。
一方、沖縄地上戦が「多くの尊い命が失われただけでなく、文化的なものも破壊された悲惨な戦争だった」とし、「後世にしっかり伝え、戦争を起こしてはならないということを確認し続ける」と、沖縄から平和を発信していく決意を表明した。
玉城知事は米軍基地問題の解決に向けた議論を呼び起こすための全国トークキャラバンを六月に東京でスタート。名古屋は二カ所目で、十九日夜に名古屋市公会堂で開かれた。