研究・報告

報告「プルトニウムと 六ケ所再処理工場 ー核燃料サイクルの現実と東アジアの安全保障ー」

英独米中韓日6ヵ国シンポジウム「増えるプルトニウムと六ヶ所再処理工場―核燃料サイクルの現実と東アジアの安全保障―」(2021年)報告書<概要版>

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再処理がもたらすリスクと「核燃料サイクル」政策に替わる道について、国内外ゲストによる報告と提言をまとめました。

【内容】

「核燃料サイクル国際評価パネル(ICRC)から 16 年後の再レビュー:何が変わり、何が変わらなかったか」 飯田哲也 環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長

「核燃料サイクルと青森県」 鹿内博 青森県議、元青森市長

「英国の経験:再処理で取り出されたプルトニウム、生み出された高レベル放射性廃液と放射能汚染」 ポール・ブラウン(Paul Brown)ジャーナリスト

「ドイツの経験:脱再処理とエネルギー転換」 ニーナ・シェア(Nina Scheer)ドイツ社会民主党(SPD)連邦議員

「プルトニウム備蓄のアジア及び世界の安全保障への含意」  シャロン・スクワソーニ(Sharon Squassoni)米・ジョージワシントン大学研究教授

「韓国におけるパイロプロセッシング(乾式再処理)」 姜政敏(Jungmin Kang)原子力コンサルタント、元韓国原子力安全委員会委員長

「中国のプルトニウムリサイクル計画」張会(Hui Zhang)米・ハーバード大学上級研究員

「日本のプルトニウム政策:出口なき迷走」 鈴木達治郎 長崎大学核廃絶研究センター副センター長、元内閣府原子力委員会委員長代理

【執筆者】

飯田哲也(いいだ・てつなり)

認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長。京都大学原子核工学専攻修了。東京大学先端科学技術センター博士課程満期退学。原子力産業に従事後に原子力ムラを脱出し、北欧での再エネ政策研究活動後に現職。日本を代表する自然エネルギー専門家かつ社会イノベータ。著書に「北欧のエネルギーデモクラシー」、「メガ・リスク時代の「日本再生」戦略」(金子勝氏との共著)他、多数。

鹿内博(しかない・ひろし)

青森県議会議員(県民主役の県政の会)。青森県市議会議員(1982年から3期)、青森県議会議員(1991年から5期)、青森市長(2009年から2期)を経て2019年より現職。県議会建設委員会、原子力・エネルギー対策特別委員会などの委員を務める。

ポール・ブラウン(Paul Brown)

ジャーナリスト。英「ガーディアン」紙で25年間記者を務め、そのうち16年間は環境コレスポンダント。1983年から原子力産業について執筆、現在に至る。調査報道や環境ジャーナリズムの賞を受賞。著書多数。ケンブリッジ大学ウルフソン・カレッジ研究員、王立地理学会名誉会員。

ニーナ・シェア(Nina Scheer)

ドイツ連邦議会議員(社会民主党)。政治学博士。弁護士、ミュージシャン。2013年より現職。環境保護、気候・エネルギー政策を専門とし、エネルギー転換の推進に尽力してきた。「社会民主的エネルギー転換アピール」(Sozialdemokratischer Energiewende-Appell)の発議者。

シャロン・スクアソーニ(Sharon Squassoni)

米・ジョージワシントン大学研究教授。国務省軍備管理軍局、米国議会図書館議会調査局(CRS)調査官、カネギー国際平和財団研究員などを経て現職。米国戦略国際問題研究所(CSIS)核拡散防止プログラム主任(2010-18)、『原子力科学者会報』(the Bulletin of Atomic Scientists)、PIRセンター、軍備管理核不拡散センターなどの理事。核エネルギーと核兵器リスク低減に関する研究、政策策定に携わる。

姜政敏(Jungmin Kang)

原子力コンサルタント。ソウル大学原子力工学科終了。核工学博士(東京大学)。国際核物質専門家パネル(IPFM)メンバー。米・自然資源防護協会(NRDC)上級研究員(2015-2017年)、韓国原子力安全委員会委員長(2018年)を経て現職。主要著書に『プルトニウム─原子力の夢の燃料が悪夢に』(緑風出版、2021)など。

張会(Hui Zhang)

米・ハーバード大学公共政策学院ベルフェア科学国際問題センター原子力管理プロジェクト上級研究員。同プロジェクトの中国核政策に関する研究リーダー。研究分野は核兵器管理、核分裂性物質管理、核テロリズム、中国の核政策、核保障措置、核不拡散、核燃料サイクル・再処理政策など。

鈴木達治郎(すずき・たつじろう)

長崎大学核廃絶研究センター副センター長。1951年大阪生まれ。78年マサチューセッツ工科大学プログラム修士修了。工学博士(東京大学)。専門は原子力政策、科学技術社会論。2010年1月から2014年3月まで原子力委員会委員長代理。国際核物質専門家パネル(IPFM)共同議長、科学者グループ「パグウォッシュ会議」評議員。アジア太平洋核不拡散・軍縮リーダーシップネットワーク(APLN)理事。主要著書に「核兵器と原発」(講談社現代新書、2017年)など。