陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に搭載予定の新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の迎撃実験が2年連続で失敗したという記事を読んだ。この迎撃システムは北朝鮮のミサイルの脅威から日本を守るために必要だと政府が主張して、導入を決めたものである。これに限らず、長距離巡航ミサイルや護衛艦の事実上の空母への転用など、北朝鮮の脅威を奇貨とした防衛装備の拡張が続いている。
一連の軍拡は憲法の専守防衛原則を崩すものだと私は考える。憲法上の論点だけでなく、本当に日本の防衛に役立つのかどうか、費用と効果を吟味する必要がある。軍事ジャーナリストの田岡俊次氏は、「ミサイル防衛に当たる4隻のイージス艦は各8発の迎撃用ミサイル「SM3」しか搭載しておらず、仮に全弾が命中したとしても最大8目標にしか対処できない」と指摘している。また、巡航ミサイルで敵基地を先制攻撃しても、すべてを破壊することは不可能で、反撃を招くだけだ。
米国の武器産業のために高価な装備を買い込み、それが国民を欺く気休めでしかないならば、何のための防衛政策なのか。納税者・国民を代表する国会議員は、シビリアンとしての気概を持って防衛予算を検証し、真に国民を守るための政策を論じてほしい。
(東京新聞2月4日「本音のコラム」)