中国にとって大事な国になることが経済安全保障|「羽鳥慎一モーニングショー」猿田佐世ND代表発言 (25/12/1)

番組の概要

国境を越えて日本の多様な声を届ける「新外交イニシアティブ(略称ND)」の猿田佐世代表が、12月1日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」にレギュラーコメンテーターとして生出演しました。高市早苗首相の「存立危機事態」発言に中国が反発して、日中関係が悪化していることが取り上げられました。中国で日本人歌手の公演が相次いで中止されたことや、日中間のビジネスでも影響が生じている例が紹介されました。

中国にとって大事な国になることが経済安全保障

日本との経済関係を切れない状態に

猿田代表は「中国の過剰反応で、私たちがさらに過剰に反応することのないようにしたい」と切り出した後、経済安全保障の概念で日中関係の方向性を次のように説明しました。「最終的に、日本が中国との関係で安全でありたいと思うのであれば、中国にとって欠かせない国になるのが一番で、それこそが経済安全保障だと思うんですね。日本の場合、経済安全保障と言うと、中国との関係を切って、できるだけ他の国にサプライチェーンを移して、それで日本の経済を回していくという考え方なんですけれど、そうではなくて、中国にとって日本は大事なので経済関係を切れない状態にすることが一番安全なんですよ」と述べました。

中国と様々なレベルで密な関係を

また、「今回のような中国の対応があれば、中国はそんなに好きではないなと思う感情が日本で湧いてしまうのは仕方ないのですが、でもレアアースがあるから、日本は中国との関係を絶対に切れないわけです。そういう状態を作る。政府同士の関係は、最悪と言っていいぐらい悪いのですけれども、『経済的に絶対、日本は切れない』とか、あるいは『国際結婚が進んでいる』、『留学生がたくさんいる』、『日本にはたくさん中国人がいる』など、絶対戦争なんかできないよねという関係を密に作っていく。『民間外交の制度化』なんて、私たちは言うんですけれども、それこそが日本を安全にすると思います」と述べて、中国との経済関係を薄めていくのではなく、民間外交も含め、日本が中国にとって大事な国になることが安全を保障するとの考えを示しました。

米国を飛び越え、最前面で中国を挑発

さらに猿田代表は日中関係の現状について「中国と揉めている国はちょこちょこありますが、世界を見渡しても、今、日本ほど、中国との緊張をぐっと高めている国はありません。米国ですら中国との関係は、経済面から考えて、すごく丁寧にやっている。日本は米国陣営というのか、米国と一体化して軍事力を高めて、中国に対峙していくということになっているのですが、その米国をも飛び越え、最前面に立って中国を挑発しちゃってる状況になっています。今、経済の重要性を考え、周りの国を見渡して〝あれ、こんなことやってる国、他にどこもないじゃないか〟と気が付いて、日本にとって何が最終的に大事なのかということを考えていく必要があるかな、と思います」とコメント。米国よりも日本が突出して中国との緊張を高めているとの現状認識を示しました。

パネルを使って議論するメインのコーナーでは、12月に急増する火災がテーマになりました。火災原因の多様性と対策が話題になると、猿田代表は自らの体験も明らかにして、積極的に発言していました。

 

※番組は放送から数日後に無料動画配信サービス「TVer(ティーバー)」で配信され、一定期間ご視聴いただけます。
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